外壁タイルは高い耐久性があり、カラーバリエーションも豊富なことや高級感のある外観作りができることからも人気の高い外壁素材です。高温で焼き固めるため強度もあり、他の外壁素材と比べると劣化しにくい点も魅力です。ただ、定期的な点検とメンテナンスは必要となりますので、専門家にきちんと見てもらわなければなりません。そこで、タイル外壁のメンテナンス費用やそのタイミングについて詳しくご紹介します。
タイル外壁もメンテナンスが必要です
タイルは耐久性が高いことから、外壁に多く用いられていますが、頑丈だからといってメンテナンスが不要なわけではありません。ですがなぜメンテナンスが必要なのか、またどのタイミングでメンテナンスをすればいいのかご存じないという方も少なくありません。
そこでタイル外壁にメンテナンスが必要な理由を詳しく見ていきましょう。
メンテナンスが必要な理由
タイル自体は無機質なので、外部からの影響を受けることはほぼありません。ただし以下の理由から定期的なメンテナンスが必要となります。
・タイルの接着面の劣化
・目地剤の劣化
・目地にコーキングを使用している場合のコーキングの劣化
また、タイル自体は頑丈なのですが、下地のモルタルは耐震性が低いため地震の揺れで破損することがあります。そのため見た目にはよく分からなくても、タイルがはがれやすい状態になっていることもあり、定期的なメンテナンスが必要なのです。
メンテナンスのタイミング・時期
タイル外壁にメンテナンスは必要ですが、どういったタイミングでするのがいいのかは以下の2つを参考にしてみてください。
1.年数によるタイミングでメンテナンスをする
タイル外壁に使われる目地部分の劣化が、7年から10年程度なのでその年数をメンテナンス時期として考えるのもおすすめです。
ただしその時期でなくても、タイルが割れたりはがれたりしている場合には、メンテナンスが必要です。
2.タイルの状況をみてメンテナンスをする
年数だけでメンテナンスをした場合、時期が早すぎて必要のないメンテナンスをしてしまったということもあります。また逆にメンテナンスが必要だったのに、年数で先送りしてしまい、大きな破損につながる可能性もないとはいえません。
そのためタイル外壁で以下の状況が見られるときにはメンテナンスを考えましょう。
・目地のすり減り
目地がすり減るとひび割れが起こりやすく、その割れ目や隙間から雨水が入り内部がカビたり腐食が発生したりします。
・タイルの割れ
タイルが割れていると下地が劣化することになります。タイルを交換し補強が必要です。
・タイルのはがれ
はがれそうなタイルを放置しておくと、落下して怪我をする可能性があります。また下地が劣化している可能性もあるため、点検が必要です。
・タイルの汚れ
耐久性のあるタイルですが、雨が染みこんで白くなったりカビなどで表面の色が変わっていたりすることがあります。洗浄して汚れを取ることで、タイルの寿命が長持ちします。
タイル外壁のメンテナンス費用
タイル外壁をメンテナンスする場合、どれぐらいの費用が必要なのでしょうか。気になる費用について、以下の2種類のメンテナンス作業ごとに詳しくご紹介します。
1.【高圧洗浄】など軽度な作業
高圧の水を吹き付けることで汚れを取る高圧洗浄は、劣化を防ぐためにもおすすめのメンテナンスです。費用は1平方メートルあたり400円から500円が相場です。
ただし、カビなどを除去する場合はバイオ洗浄剤を使用するため、単価が800円から1,000円かかります。また1階だけでなく2階も洗浄する場合は足場代もかかりますので、さらに費用がかかります。
30坪の家だと、トータルで10万円程度ですが、薬剤の使用などをお願いした場合は20万円から30万円程度かかる可能性も考えておくといいでしょう。
2.【補修】など劣化がある場合の作業
目地がすり減って劣化している場合、目地だけの補修となりますが1平方メートルあたり600円から1,200円が相場となります。30坪程度の家の場合だと、全体で30万円から50万円が費用の相場です。
部分だけの補修も可能ですが、手間賃がかかる分割高になる可能性もあります。また割れたタイルを交換する場合、タイル1枚あたりの単価は500円程度ですが、下地を補修したりした場合は、さらに追加で費用がかかります。
家の外壁全体のタイル交換をした場合には、200万円から300万円費用がかかることもあります。
タイル外壁のメンテナンスはプロへ
タイルの目地の補修やタイル交換は、部分的な破損であればDIYで直すという人も少なくありません。
ただしタイルの浮きや破損は、見た目だけでは分からないことも多く、補修した後にまた別のタイルがはがれたといったことも起こりがちです。そのため、打診検査をしてくれるプロにお願いするのが一番確実です。
プロにお願いすれば、タイルの外壁以外の劣化場所を見つけてくれるため、何度もメンテナンスを繰り返すといった無駄がなくなります。「そろそろメンテナンスをした方がいいのかも」と悩んでいるなら、メンテナンスの時期の相談や点検の依頼も可能です。
大きな破損を防ぐためにも、まずはプロに相談してみてはいかがでしょうか。