リビングと隣接して設置されることの多い和室ですが、使わないままでもったいないなと思うことはありませんか。「和室をどう使えばいいか分からない」「子供が小さい間は使っていたけれどもう使わなくなった」そんな悩みをお持ちなら、おすすめしたいのがリビングと一体化するリフォームです。そこでどういったリフォームができるのか、気になる費用や注意点を含め詳しくご紹介します。
リビングと和室をつなげるメリット
リビングと和室を一体化することで、どんなメリットがあるのでしょうか。リフォームを検討する前にぜひ知っておきたいことをご紹介します。
リビングが広くなる
和室分のスペースがプラスされるため、リビングが広くなることがメリットです。和室とリビングが戸や段差で仕切られていると、見た目にも狭く感じられます。それがなくなるので開放感あふれる空間になります。また窓が和室にある場合は、一体化することで光を取り入れられる面積が広くなり、リビングが明るくなることもメリットです。
コーディネートがしやすくなる
リビングと和室を一つにすることで、コーディネートがしやすくなることもメリットです。洋風のリビングと和室では、別々のインテリアを考えなければいけないことに加え、和室独自の障子や襖といったメンテナンスの費用もかさみます。一体化すればトータルでコーディネートを考えればいいので、インテリアにかける費用を抑えられます。
掃除が楽になる
掃除が楽になることもメリットといえます。和室の畳スペースは、リビングのカーペットやフローリングよりも下地が高くなるため段差ができてしまいます。一体化すれば床の高さが均一になるため掃除機をかけやすくなります。また畳は基本的に水拭きができないことに加え、掃除機のかけ方によっては表面を傷めてしまうため掃除の仕方を変える必要があります。一つのリビングにすれば、手間がかかりません。
リビングと和室の一体化で考えておくべきこと
メリットの多いリビングと和室を一体化するリフォームですが、単に境目を取り払えばいいというわけではありません。一体化してどうしたいのかによってリフォームの方法も変わってきます。リフォームを依頼する前に考えておきたいポイントを4つ見ていきましょう。
生活する上での動線
リビングと和室を一体化した後の生活動線を把握しておきましょう。リビングとつながっている和室だけでなく、リビングの一角に和室が設置されている場合もあるためです。和室の収納スペースがリフォームでなくなってしまうと、着替えをする場所がなくなってしまうことがあります。また和室にあった家具の置き場所がなくなったり、別の場所に置くことでくつろぐスペースがなくなったりすることも考えられます。リビングでのくつろぎスペースや食事のスペースが大きく変わらないよう動線を考えてリフォーム案を作ることも必要です。
床を畳・フローリングのどちらにするか
リビングと和室の一体化リフォームで、畳にするかフローリングにするかも事前に考えておく必要があります。床の下地を張り替える必要が出てくると、リフォーム費用も変わってくるためです。ですが、畳のスペースがあると洗濯物片付け、アイロンがけ、子供の遊ぶスペースと色々な使い方ができるメリットもあります。また畳表のい草の調湿機能やリラックス効果も捨てがたい魅力です。フローリングの一部に畳を埋め込む、置くだけで済む畳スペースを設置する方法もありますので、畳を完全になくすべきかどうか確認しましょう。
収納スペースの確保
和室に押入等の収納スペースがある場合、リフォームで代わりのスペースを確保することを考えておきましょう。せっかく一体化リフォームでリビングを広くしても、収納のために家具が増えてしまうと逆に狭くなってしまいかねません。収納していたものによっては、リフォーム後に家事がしづらくなってしまうこともありますので、事前にスペースを確保する、入れ替えておくといった対処も必要です。
日当たりの状態
リビングと和室の一体化をする場合、採光についても確認しておく必要があります。単純に窓が増えて明るくなるだけならいいのですが、夏の日差しの入り方によっては部屋の温度が上がりやすくなることもあります。また収納スペースのために壁を増やし、窓をなくしてしまうと一日中部屋が暗いといったことになりかねません。日差しの入る方向を考え、窓の移動といった調節方法も考えておきましょう。
リビングと和室をつなげるリフォームで考えられる工事と費用
リビングと和室をつなげて広いスペースにするための工事は、こだわればそれだけ費用がかかります。和室とリビングを一つにするために壁を撤去し壁紙を張り替えるだけのリフォームから、リビングとして見た目も使い勝手もよくするために、天井や床の張り替えをする工事など、リフォームの方法は様々です。ここでは一体化リフォームで、どんな工事があるのかそれぞれの費用相場と合わせて詳しくご紹介します。
壁の撤去やクロスの張替え
壁を撤去し、リビングと和室を一体化するために全面の壁紙を張り替えた場合の工事費用は20万円~が相場です。壁を撤去するだけなら、処分費用も含めて5万円~で工事は可能ですが、一体感を持たせるためには壁紙を張り替える必要があります。また壁を撤去した後に、下地が傷んでいる場合には追加費用がかかることに注意が必要です。さらにクロスの種類や、張り替えする広さによっても費用は変わってきますので、見積もりの時点で確認することをおすすめします。
天井の工事
和室とリビングでは、高さや材質が違うため、高さを合わせる工事をした場合16万円~が相場です。天井を解体するだけならそれほど費用はかかりません。ですが、和室を洋風の天井にする場合クロスの張り替えも必要となるため費用がかかります。天井の工事の際、断熱リフォームも同時に実施する場合、追加で20万円~が必要となります。
和室の押し入れをクローゼットにする
和室の押し入れをリビングとの一体化で洋風のクローゼットにする場合、費用の相場は9万円~です。押し入れを解体し棚板をつける、扉を付け替えるといった工事を追加すればそれだけ費用がかかりますが、押し入れを活かす簡単な工事なら2万円~で済む場合もあります。
床の段差をなくす
和室とリビングは段差がありますので、畳を外した後に床を上げる工事が必要です。この場合、かかる工事費用の相場は12万円~です。和室の広さや下地工事に使う材料によって費用は変わります。また、畳をはがした後に下地が傷んでいる場合には追加工事で費用が高くなることにも注意が必要です。
畳をフローリングに交換
和室の床をリビングに合わせてフローリングにする場合、和室部分だけを張り替える費用は6畳で12万円~が相場です。ただしこの費用は複合フローリングを使用した場合で、無垢材や防音効果のあるフローリングにすると費用が高くなります。和室部分だけを張り替えた場合、リビング側と材質や色に違いが出るため、見た目が気になる場合は全面張り替えをする必要があります。
一体化のための全面工事
和室とリビングを一体化し、見た目も全て統一する場合の費用の相場は70万円~です。和室とリビングの壁や襖を取り払い、天井、壁、床をすべて統一することで一体感を出すことは可能ですが、その分費用は高めです。また棚やクローゼットを設置する場合にはさらに追加費用がかかりますので、予算を考えた上でどこまで手を加えるか考えるようにしましょう。
部屋をつなげる際の注意点
和室とリビングをつなげて一つにするリフォームは、どの家でも必ずできるわけではありません。せっかくリフォームしようと思ったのに、業者に部屋を見てもらったら断られたということのないよう、事前に確認、注意したいことについて見ていきましょう。
壁が撤去できない場合がある
部屋の壁によっては、撤去できないことがあります。部屋の壁は、大きく分けて二つの構造があります。一つは壁で建物を支えている「壁式構造」、もう一つは柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」です。ラーメン構造であれば壁の撤去は比較的容易ですが、壁式構造では窓やドアの移動も制限されるため自由に壁を撤去できません。ただ、ラーメン構造の壁でも在来工法で筋交いがあると撤去の際に別途補強工事が必要になるため、大がかりなリフォームになってしまいます。そういった場合は壁を残して対応することが必要となります。
工期を確認しておく
和室とリビングの一体化工事では、どれぐらいの工期が必要となるのか事前に確認しておきましょう。リフォームの内容にもよりますが、壁の撤去や床材の張り替え、壁紙をはがすといった工事中、1ヶ月以上作業がかかることが多くその間はリビングに入ることができません。工期が長くなる場合には仮住まいも視野に入れる必要がありますので、事前に業者と打ち合わせて把握しておくようにしましょう。
マンションの場合は管理規約を確認する
マンションでリフォームをする際には、管理規約を確認しておくようにしましょう。マンションでは防音性の規定が決められており、畳やカーペットをフローリングに張り替えることが禁止されていることがあります。またリフォームで部屋を一体化した際に、コンセントの増設が必要になることもあります。マンションでは電気の容量が制限されていることも多いので、事前に管理規約を確認し違反にならないようなリフォーム方法を考えるようにしましょう。
和室とリビング一体化のアイデア
和室とリビングを一体化するリフォームをしたいと考えていても、具体的にどうしたいかがまとまらないという方もいらっしゃるかもしれません。実際の施工例を見るのもいいのですが、ここではおすすめしたいアイデアを二つご紹介します。
リビングの一角として畳を残しておく
リビングの一部に畳を残すリフォームもおすすめです。和室もあると便利なことが多いので、完全になくしてしまうと後悔してしまうかもしれません。そういった場合に対応できるよう、部屋の一角に畳のスペースを作っておくといいでしょう。はめ込みができる畳がありますので、フローリングを敷き直す時に同時に施工が可能です。
小上がりを作ってメリハリのある空間にする
小上がりを作り、畳のスペースを作るリフォームもおすすめです。特に和室の収納スペースをなくしてしまうとリビングは広くなりますが、収納家具を置く必要がありかえって狭くなってしまうことがあります。小上がりにすれば床下に収納を付けることができるので、スペースを確保できます。小上がり畳は設置する家具として購入もできますが、リフォーム時に作り付けにしてもらうことも可能なので、業者に確認してみましょう。
和室と一体化させて居心地の良いリビングを作ろう
あまり使わなくなった和室をリビングと一体化するリフォームは、広い空間を確保できるため居心地のいい住まいに生まれ変わらせることができます。ただ、壁を取り払う、押し入れをクローゼットに作り変えるなどリフォームする箇所が増えれば費用もかかります。予算に合わせて過ごしやすいリビングを作るためにも、豊富な施工実績のあるくらいす住建にぜひご相談ください。それぞれのお家に合わせたおすすめのリフォーム方法をご提案させていただきます。