中古住宅のリノベーションは、注文住宅はもちろん建売住宅を購入するより価格が抑えられる場合が多いので、魅力的に感じている人も多いですよね。しかし、中古住宅リノベーションにはさまざまな落とし穴もあるため、安易に選ぶと後悔するかもしれません。そこでこの記事では、中古住宅リノベーションのデメリットと後悔しない物件選びのコツなどを解説していきます。注意点やメリットも紹介しているので、中古住宅リノベーションで失敗したくない人はぜひ参考にしてみてください。
中古住宅リノベーションのデメリット
まずは、中古住宅のリノベーションの落とし穴ともいえるデメリットを確認しておきましょう。
新築より高額な費用が必要になることがある
中古住宅リノベーションは費用が抑えやすいと言われることが多いですが、築年数やリノベーション規模によっては新築住宅よりコストがかかることがあります。購入費用だけをみれば確かに中古住宅は費用が抑えやすいといえるでしょう。しかし、物件によっては耐震補強工事やフルリノベーションしなければいけないこともあり、想定よりリノベーションにお金がかかることがあります。また、部分的なリノベーションであれば初期費用はひとまず抑えられますが、リノベーションしていない部分もすでに劣化していることが多いため、結局数年でリノベーションが必要になるといったケースもみられます。そのため、思ったよりお金がかかると感じる人も多いはずです。
入居までに時間がかかる
中古住宅のリノベーションは、建売住宅と比べて入居までに時間がかかるのもデメリットのひとつです。建売住宅では登記変更や住宅ローンの手続きなどが済めば入居できるので、契約から入居までにかかる期間は1か月ほどです。一方、中古住宅をリノベーションする場合は工事期間がプラスされるので、長いと契約から入居までに6か月ほどかかることもあります。そのため、賃貸物件の契約更新の兼ね合いや、お子さんの入学などの関係であらかじめ入居したい日が決まっている場合は、時間に余裕をもって計画を立てなくてはいけません。
構造によっては間取りの変更ができない場合がある
リノベーションの魅力は、既存の建物を生かしつつ間取りやデザインを自分好みに変更できることですが、建築様式によっては間取りの変更ができないケースもあります。とくに木造建築では柱や壁が構造体の一部となっていることが多く、耐震性を考慮しながら間取りを考えなくてはいけません。購入したものの希望の間取りにできなかったと後悔しないために、大規模な間取り変更リノベーションを希望している場合は、事前に確認しておきましょう。
物件の見きわめが難しい
中古物件とひとくちに言っても、構造や間取り、立地や劣化状態などが物件により大きく異なります。そのため、優良物件の見極めが難しいのが難点です。また、契約前に確認できることには限りがあり、建物内部や水回りの配管の劣化状態は判断しにくい場合が多いです。いざリノベーション工事を始めてみると、思ったより劣化していて想定より補修費用が必要になるといったケースもあるので注意しなくてはいけません。
中古リノベーションのメリット
中古住宅のリノベーションのデメリットを先に紹介しましたが、もちろん中古物件リノベーションは悪いことばかりではありません。中古物件リノベーションのメリットを2つご紹介します。
購入費用が抑えられる
中古住宅は新築住宅に比べて購入費用が抑えられます。築年数が浅い物件は購入費用が高めですが、その分リノベーション費用がかかりにくく、築古の物件はリノベーション費用がかかるぶん購入費用が抑えられる傾向があります。
資産価値の下落が小さい
長期的にみても、中古住宅は新築住宅や注文住宅に比べるとコストが抑えやすいです。リフォームの有無などにより異なりますが、多くの戸建て住宅は築20年ほどで資産価値がほぼなくなると言われています。そのため、新築住宅は購入後に大きく資産価値が下落します。一方、中古住宅は築20年以上の物件を購入すれば、その後大きく資産価値が下落することはありません。資産価値の下落が小さいのは、とくに売却を考えている人にとって大きなメリットでしょう。
選択肢が増える
中古住宅をマイホームの選択肢に入れると、単純に選べる物件が増えるメリットがあります。人気のエリアはすでに住宅地となっている場合が多いので、建売住宅や注文住宅に限定すると希望の物件が見つけられないことがあるでしょう。日程に余裕があるのであれば新しく売り出されるのを待つという選択肢もありますが、なるべく早くマイホームを見つけたいという場合は、中古物件を選択肢に入れるだけでより多くの物件から理想のものを選べるようになるでしょう。
中古物件選びで後悔しないためのチェックポイント
中古物件は優良物件を見極めるのが難しいですが、以下のポイントをチェックすると後悔しない物件選びがしやすくなります。
築年数と耐震性
築年数は耐震基準を満たした建物かを判断するうえで大切なポイントです。耐震基準は1981年と2000年に改定されています。耐震基準を満たしていない住宅は大きな地震が起こった際に倒壊するリスクが高いため、リノベーションと同時に補強工事が必要になります。また、築古の物件は断熱性や気密性など性能面でも劣っているものが多くみられます。ただ、築20年以上経過した家は低額で購入できるメリットがあり、購入費用がかからないぶんリノベーションにお金をかけられるため、築年数が古いという理由だけで選択肢から除外する必要はありません。
基礎や構造部分・地盤
中古物件を選ぶときは、シロアリの被害はないか地盤はゆるんでいないか、基礎にひび割れがないかなど基礎や構造部分・地盤の確認が欠かせません。建物の部分的な劣化であればリノベーションで対応できますが、基礎や構造部分・地盤などに欠陥がある場合は、建物を壊して建て替えなくてはいけなくなる可能性があります。素人には判断しがたい部分なので、住宅診断(ホームインスペクション)を依頼して欠陥がないかを確認してもらうのがおすすめです。
外壁や屋根
外壁や屋根は、劣化があったとしてもリノベーションで対応できる場合が多いですが、費用が高額になりやすいので購入前に状態を確認しておきましょう。なかには高値で売るために売り出し前に塗り替えている物件もありますが、安価な塗料を使っている場合があるので注意が必要です。安価な塗料は一見するときれいに見えても、購入から数年ではがれ落ちてきて結局補修費用がかさむといった恐れがあります。外壁の状態も素人では判断が難しいので、不安な場合はプロに診断を依頼するとよいでしょう。
図面の有無
購入前に図面の有無も確認しておきましょう。図面があると間取り変更の計画が立てやすくなるので、予算に合わせて設計できます。図面がない場合は、構造を予想してリノベーション計画を立てることになりますが、工事中に想定と違った構造であることがわかると追加費用が発生することがあります。そのため、予算に余裕がない場合は図面の有無も大切なポイントになるでしょう。
建築様式
建築様式によってリノベーションできる範囲が限られる場合があるので、契約前に確認しておきましょう。木造建築でよく見られる工法と特徴は以下の通りです。
建築様式 | 特徴 |
軸組工法(在来工法) | 柱や梁で建物を支えるので壁を壊す間取り変更がしやすい |
枠組壁工法(2×4工法) | 壁で建物を支える構造なので間取り変更がしづらい |
軸組工法(在来工法)の場合は、柱や梁で構造を保っているので、壁を移動するような間取り変更がしやすくリノベーションに向いています。一方、2×4工法ともよばれる枠組壁工法の場合は、壁で建物を支えているので間取りの変更がしづらいです。大きく間取りを変更したい場合には不向きでしょう。
売却理由
中古物件を購入する場合は、家を売却することになった理由を確認しておきましょう。家庭の事情で引っ越すことになった場合は問題ありませんが、以下に該当する場合は検討しなおしたほうがよいかもしれません。
・周辺の環境が変化して住みづらくなった
・隣人とのトラブル
周辺の環境の変化により住みづらくなる例として、物件周辺に高層マンションが建って日当たりが悪くなった場合などがあげられます。また、隣人がよくトラブルを起こす人で耐えきれなくなり引っ越したというパターンもあるでしょう。売却理由は、仲介する不動産会社に確認すれば教えてもらえるはずです。なにか特別な理由がある場合は、相場より安く売り出されるなど不自然な点があることが多いので、あわせて確認することをおすすめします。
中古住宅リノベーションはローンにも要注意!
中古住宅を購入してリノベーションする場合は、ローンの組み方にも注意が必要です。
住宅ローンが組めない物件がある
住宅ローンの多くは、建築基準法に適合した建物であることを条件にしています。そのため、築年数が古く現在の耐震基準を満たしていない物件や建ぺい率や容積率が守られていない物件では住宅ローンが使えない可能性が高いです。違法建築された物件でないか必ず確認しておきましょう。
審査が通りにくい
中古住宅は新築住宅より住宅ローンの審査が通りにくいです。住宅ローンは家を担保に融資を受ける仕組みのため、資産価値が低い中古住宅だと十分な資金が借りられなかったり、そもそも審査にも通らなかったりすることがあります。
リフォームローンは金利が高い
中古物件を購入してリノベーションするときは、物件購入費に対しては住宅ローンが使えますが、リノベーション費用に対しては住宅ローンが使えないため、リフォームローンを組まなくてはいけません。しかし、リフォームローンは住宅ローンに比べると金利が高い場合がほとんどです。住宅ローンとリフォームローンが一体になったリフォーム一体型ローンもありますが、融資を受けるにあたってさまざまな条件が定められているので、準備に手間がかかるのがデメリットです。
まとめ
この記事では、中古住宅リノベーションについて解説しました。中古住宅リノベーションを成功させるためには、優良物件の見極めが大切です。また、リノベーションや住宅診断を依頼する業者も信頼できるところを見つけなくてはいけません。弊社ではさまざまな住宅リフォームを行っております。実績が豊富でアフターサービスも充実しておりますので、リフォームについてお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。