排水溝を日頃からきれいにしているのに、シンクの水はけが悪いと感じるときがありませんか。実は、排水溝に油を流したために起こるつまりが起きているかもしれません。
キッチンでつまりが起こる主な原因は、油です。実際に油を直接流していなくても、食材に含まれる油分やフライパンに残った油を洗う際に排水管に残り、詰まる原因になります。
そこで今回は、排水管の油つまりを解消する対処法について解説します。油つまりを予防する方法についても紹介していますので、参考にしてください。
排水管の油つまりを解消する対処法6選
排水管が油で詰まった場合、自分で解決できる方法がないか確認してみましょう。
油が原因で排水管が詰まってしまったときや、つまりのサインが出たときに解消する対処法を6つ説明します。
まずはラバーカップを使う
ラバーカップは、つまりを解消する際によく使用される道具です。価格も比較的安価でサイズ展開も豊富で手に取りやすい道具となっています。ラバーカップの仕組みは、ラバーカップを動かすと排水口の水圧が変わり、その力で詰まりが剝がれるものです。
シンクに溜めた水をそのあとに流すと、油つまりが押し流されます。排水口をしっかり塞げるラバーカップを使いましょう。
軽度のつまりにはパイプクリーナー
パイプクリーナーは、排水管の軽度のつまりやつまりかけの状態や、ほかの方法でつまりを解消したあとの仕上げに使うのが推奨されています。その際、パイプクリーナーをただ流し込むのではなく、使い方を工夫すると効果が格段にアップします。
例えば、パイプクリーナーを温めておいたり、あらかじめ周辺のヘドロやごみを取り除いておいたりしましょう。
また、パイプクリーナーにはさまざまな製品がありますが、水酸化ナトリウムの濃度が高いパイプクリーナーやジェルタイプのパイプクリーナーが高い効果を期待できます。
薬品に抵抗がある方は重曹とクエン酸
誤って台所の排水口に油を流してしまった場合は、55℃程度のお湯に重曹を入れたものを排水口に流し込めば、油汚れを洗い流せます。
なぜ洗い流せるかというと、アルカリ性の重曹は油を分解する働きがあるためです。また、重曹とクエン酸を併用するのも有効です。
重曹とクエン酸に化学反応が起こると炭酸の泡が発生し、汚れの除去効果などが期待できます。重曹もクエン酸もどちらも自然由来の成分でできているため、薬品に敏感な方にも適しています。
家にあるお湯とフェイスタオル
自宅にあるお湯とタオルでも、排水管の油つまりは解消可能です。
まずは、排水口の蓋、ゴミ受け、椀を外し、タオルを排水口に詰め込みます。この際、タオルが流されて排水口に詰まるのを防ぐために、タオルの端を排水口からはみ出すように設置しましょう。タオルを排水口に詰め込んだらシンク内にお湯を張り、お湯の高さが3cmを超えたら、タオルを一気に引き抜きます。一気に引き抜くことが非常に重要です。一気に引き抜けば、排水口に強力な水圧がかかりますので、油汚れが落ちていきます。
排水管内の空気を動かすペットボトル
ペットボトルを用いても排水管の油つまりは解消できます。ペットボトルの大きさは2Lでも500mlでも問題ありません。
タオルのときと同様に排水口の蓋、ゴミ受け、椀を外します。可能であれば排水管に水を溜めておきましょう。ペットボトルの口を排水管にぴったりと差し込み、手で何回かへこませます。
つまりが解消するまでこれを繰り返します。ペットボトルがあまりにも小さいと、動かせる空気の量も少量です。ある程度大きくやわらかな素材のペットボトルを使用しましょう。
頑固な油汚れにはワイヤーブラシ
ワイヤーブラシは、ホームセンターやネットで購入可能です。パイプクリーナーなどを使用しても改善しない場合は、ワイヤーブラシを試してみましょう。ただし、ワイヤーブラシは無理に使用すると、蛇腹ホースに穴を開けたり、抜けなくなったりするケースもありますので十分に注意してください。
ワイヤーブラシを使って排水管の油つまりを解消する際は、先端がブラシになっているため、ブラシで排水管の内部をこすって汚れを落とします。先端がらせん状になっている製品は、一般的なワイヤーブラシ以上に頑固な汚れを崩して絡めて取ります。
排水管の油つまりのサインとは?
排水管が油で詰まってしまったときは、水を流しているときにボコボコと異音がしたり、水が逆流したりします。料理に使用した皿には油が付着しているので、台所で洗い物をすると、どうしても油汚れは溜まっていってしまいます。油のつまりを防ぐには、日頃からのこまめな掃除が大切です。
油を排水管に流してはいけない理由
排水口に油を流してはいけない理由としては、排水口に油を流してしまうと、排水管のなかで冷やされて固まってしまい、つまりの原因になる場合があるからです。また、すべては流れ切らずに一部が塩ビ管の側面に吸着してしまいます。
台所用洗剤を使用して流していると塩ビ管に吸着した廃油と液体洗剤の成分が混ざりあい、ドロドロになったヘドロ状の物体がこびりついてしまうのです。このヘドロ状の油と洗剤の固まりで水の排水能力が悪くなると、同時に水流も悪くなる可能性があります。
排水管の油はなぜ固まるのか?
例えば、牛肉や豚肉の油は加熱した直後は液体になっていますが、少し時間がたつと白くドロッとした油の塊になります。油の塊を排水管に流すと少しずつ溜っていき、これもつまりの原因です。一方で、サラダ油などの植物性の油は固まりません。
なぜなら、動物性の油は40℃以下で固まり始め、植物性の油は0℃以下で固まる特性があるからです。
排水管の油つまりを予防する方法3選
そもそも油つまりは、排水口の汚れが溜まってしまったものです。日々排水口をきれいに使えれば掃除の手間をかけずに済みます。
ここでは、排水管の油つまりを予防する方法を3つ紹介します。
油や食材カスを流さない
食器に付いた油やカップ麺の汁など、日々の油や食材カスの積み重ねが油つまりの原因です。油がべっとりとついたお皿や鍋をそのまま洗い流す前に、キッチンペーパーで極力拭きとるなど、地道な行いがつまりの予防につながります。また、ゴミ受けカゴにネットを被せるのもつまりを予防する方法の1つです。
ただし、ネットを被せるとゴミ受けカゴと排水栓に隙間ができてそこから細かい食材カスが流れてしまい、逆効果になる場合もありますので十分注意しましょう。
こまめにお湯を流す
固まってしまった油汚れは、お湯である程度は洗い流せます。55℃程度に温めたお湯をゆっくりと排水口に流して、油汚れを取り除いてあげましょう。お湯の温度は、高い方がよいわけではありません。
沸騰したお湯を排水管に流すと、塩ビ素材の排水管を傷める可能性がありますので避けましょう。悪臭がある場合は、パイプクリーナーを使って、こびりついた油汚れを洗浄すれば悪臭の原因を取り除けます。
ゴミ受けにアルミホイルを入れる
排水周りは、毎日お手入れをするのが基本です。しかし、お仕事などで忙しく、毎日お手入れできない場合は、丸めたアルミホイルを1〜2個、排水口のゴミ受けに入れておきましょう。アルミの金属イオンには抗菌効果があり、ヌメリ防止に効果的といわれています。
アルミホイルは水と反応するので、発生する抗菌効果で実際にヌルヌルは抑えられます。ただし、アルミホイルが排水口に流れないように十分注意してください。
まとめ
排水管がつまると慌ててしまいますが、軽度の症状であれば、市販の製品や自宅にあるもので対処可能です。
万一、排水管がつまっても焦らず、この記事で紹介した方法を試してください。ただし、自分で対処しても一向に改善しない場合は、無理して直そうとすると故障や水漏れにつながるので、業者に依頼しましょう。
対処しているにもかかわらず改善しない場合の、水回りの修理に関するお問い合わせ・ご相談は弊社にお気軽にご連絡ください。
Q&A
Q:排水管の油は重曹で溶かせますか?
A:排水管に流してしまった油を溶かすほどの洗浄力は重曹には期待できません。
水酸化ナトリウム濃度2%程度のパイプクリーナーを使えば効果的です。
Q:つまりはないのに、台所で水を流していると排水口に溜まってきます。
A:原因はつまり気味だと思われます。まだ完全にはつまっていないので、多少の流水は流れていきますが、長時間洗い物をしていると、管内の狭くなっているところで、スムーズに流れていかないので、少しずつ水が溜まってしまうのです。
Q:シンクに油を流してしまうのは不安なのでトイレに流そうと思いますが?
A:トイレに油を流すと環境破壊につながるだけではなく、トイレの排水管に油が固着してしまい流れなくなってしまいます。
ある日急にトイレが使えなくなってしまう場合もありますので絶対にやめましょう。