職・進学などの新生活を機に子どもが独立して家族構成が変わると、家が広すぎると感じるケースがよくあります。特に高齢者には、広すぎる家の管理は大変で、持て余すことも珍しくありません。高齢になるにつれて家の管理は大変になっていくため、早めに対応をすることが重要です。
本記事では、老後に広すぎる家が残された場合の対処法をリフォームと売却、それぞれのメリット・デメリットと共に解説します。
持ち家が老後には広すぎると思ったときの活用法
持ち家は財産です。うまく利用すれば老後の生活がより豊かになるでしょう。ここでは、持ち家が広すぎて管理が難しくなった場合の活用法を5つ紹介します。老後の住まいについて迷っている方は、参考にしてください。
売却して新しく家を購入する
現在の家を管理し続けるのが難しくなり、子どもも別所に家を建てて相続する予定がない場合は、今の家を売却して新しい家を購入する方法がおすすめです。高齢になると、一戸建てよりもマンションのほうがエレベーターもあり、バリアフリー仕様で住みやすい方もいるでしょう。
また、近年はシニア専用の介護付きマンションも増えています。まだ元気だけれど子どもが遠方に住んでいて万が一に備えたい場合も、シニア専用マンションならば安心です。
その一方で、高齢になってからの引っ越しは想像以上のストレスがかかり、体調を崩す恐れもあります。さらに家の売却額が低かった場合は、新しくローンを組む必要も出てきます。高齢になってから組むローンはいろいろと制限があり、第一希望の家が買えない場合もあるでしょう。
減築リフォームをする
現在の家を手放したくない場合は、減築リフォームを行って床面積を減らす方法があります。手入れしやすいコンパクトな家にしてお風呂やトイレなどもバリアフリー仕様にすれば、高齢になっても住みやすい家になるでしょう。リフォームのほうが家を建て直したり買い替えたりするより費用を抑えられます。
その一方で、減築リフォームすると子どもや孫が実家に帰省した際、居場所がなくくつろげないといったデメリットもあります。また、相続を予定している場合は、若い世代には住みにくい可能性もあるでしょう。
リフォームして二世帯住宅にする
相続した後で子どもが住みにくくなる場合、二世帯にリフォームする方法もあります。二世帯にリフォームすれば、子世帯と同居してもプライバシーを保ちながらお互いにほどよい距離感で暮らせるでしょう。
子世帯がしばらく同居できない場合は、子世帯の住居を賃貸物件として貸し出す選択もあります。賃貸物件にすれば、家賃収入も得られて家の管理も任せられるのがメリットです。
しかし、家の立地条件によっては借り手がなかなか現れない場合もあります。二世帯部分を賃貸に出すと距離が近い分、騒音問題などが起こりやすいのもデメリットです。
家を建て直す
家の老朽化が進んでいる場合や子世帯が将来的に家を相続する可能性が高い場合、家を建て直す選択もあります。新しい家のほうが断熱性も高く、設備も高性能になっているので高齢者にとっても住みやすい家が作れるでしょう。
予定が変わって子世帯が相続しなくても、新しい家は資産価値が高くて売却しやすいのもメリットです。その一方で、予算次第では親子ローンを組む必要も出てきます。子世帯と親世帯の意見がまとまらないと、なかなか建て直しに着手できないのもデメリットです。
空き部屋を貸し出す
建て直しやリフォームをせずに家を維持したい場合は、空いている部屋を貸し出す選択肢もあります。近年は、家賃が安ければ居住形態にこだわらない方も多く、家の立地場所によってはすんなり借り手が見つかるケースもあるでしょう。家賃収入を貯金し、それを元手に家のリフォームをする方法もあります。
その一方で、他人と生活を共にするのは想像以上にストレスがかかるかもしれません。特に生活習慣が違いすぎると、一緒に生活するのは大変です。普段から交流がある親戚など、空き部屋を貸す相手をよく選ぶことが大切です。
老後に広すぎる家はどうする?迷ったときの対処法
現在の家は老後を過ごすには広すぎて、住み替えかリフォームかで迷っているといった方もいるでしょう。ここでは、老後の住まいについて迷った場合の対処法を紹介します。
子どもの意見を聞く
子どもがいる場合は、子どもの意見も聞くことが大切です。家を相続する予定がある場合と、自力で家を建てて別所に住む予定では選択肢も変わってきます。家を相続しないならば、売却したほうが将来的にも楽です。また、相続する場合も同居が可能か否かで最適な方法が変わってきます。
とはいえ、子どもの意見は将来的に変わる可能性もあります。あくまでも参考程度に聞いておき、第一は自分の意見を優先しましょう。ただし、親子ローンを組むなど子どもに負担がかかる方法を選択する場合は、必ず同意を得てください。事後承諾でいいと勝手に考えてはいけません。
老後の計画を立ててみる
現時点で、老後をどのように過ごしたいのか計画を立ててみてください。近隣に買い物ができる場所やかかりつけになりそうな病院がない場合は、住み替えが必要になる可能性が高めです。また、老後の資金が少々心許ない場合、固定資産税を支払いながら住みにくい家を維持するより、売却してシニア向けマンション等に越したほうが良い場合もあるでしょう。
反対に、近隣に買い物をする場所や病院、市役所などの設備が充実している場合は、リフォームをして生活しやすい家にしたほうが、余計なストレスもかかりません。当社でも住み替えや建て直しなど、お住まいに関する相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
家の状態を確認してもらう
家のリフォームを検討している場合、家の状を確認することが重要です。外観は経年相当でも駆体がしっかりしていれば、リフォームには十分耐えられます。
逆に駆体が劣化したり損傷が激しかったりした場合、リフォームが難しい場合もあります。いざリフォームをしようと思ったら難しかったとならないように早めの調査がおすすめです。特に、シロアリの被害や浸水の被害に遭っている家は、築年数の割に劣化が進んでいる可能性が高く、リフォームも大掛かりなものになります。
家の査定をしてもらう
家の売却を考えている場合は、査定をしてもらうと家の価値が分かります。家の売却方法は、以下の3種類です。
●家と土地をセットにして売却する方法
●家を取り壊して更地にして売却する方法
●古屋付き土地として売却する方法の
どの方法にするか、査定をした上で決めてください。
家に価値があれば土地と家をセットにして売却できます。しかし、家自体の資産価値がほとんどなく、老朽化も進んでいる場合は更地にしたり古屋付き土地として売りに出したりしないと買い手がつきにくい場合もあるでしょう。希望額で家を売却するためにも、家の査定は早めに行って売却の戦略を立ててください。特に、地方の場合は売却までに時間がかかるケースも珍しくありません。
広すぎる家の対処法は早めに決めよう
年を取ると健康であっても若い頃のように動けなくなります。掃除をはじめとする家の管理も難しくなっていくでしょう。特に、子どもが全て独立して家を出て行った場合は、広すぎる家に夫婦2人暮らしとなり、使わない部屋は早めに劣化が進む恐れもあります。固定資産税の負担も大きくなるため、早めに家をどうするか決めましょう。
当社でも、家のリフォームに関する幅広い相談を承っています。小さなことでもお気軽にご相談ください。
Q家を賃貸に出すのに何か資格は必要ですか?
Aいいえ、家の賃貸を出すのに特別な資格は必要ありません。不動産会社に仲介を依頼しましょう。
Q家の敷地を一部だけ売却することは可能ですか?
Aはい。敷地が広すぎる場合は一部を売却することも可能です。ただし、使い道が限られていると買い手がつきにくいので、どこを売却するか不動産会社と相談してください。