排水溝を日頃からきれいにしているのに、シンクの水はけが悪いと感じるときがありませんか。実は、排水溝に油を流したために起こるつまりが起きているかもしれません。
キッチンでつまりが起こる主な原因は、油です。実際に油を直接流していなくても、食材に含まれる油分やフライパンに残った油を洗う際に排水管に残り、詰まる原因になります。
そこで今回は、排水管の油つまりを解消する対処法について解説します。油つまりを予防する方法についても紹介していますので、参考にしてください。
排水管の油つまりを解消する対処法6選
排水管が油で詰まった場合、自分で解決できる方法がないか確認してみましょう。油が原因で排水管が詰まってしまったときや、つまりのサインが出たときに解消する対処法を6つ説明します。
1.まずはラバーカップを使う
ラバーカップは、つまりを解消する際によく使用される道具です。価格も比較的安価でサイズ展開も豊富で手に取りやすい道具となっています。ラバーカップの仕組みは、ラバーカップを動かすと排水口の水圧が変わり、その力で詰まりが剝がれるものです。
シンクに溜めた水をそのあとに流すと、油つまりが押し流されます。排水口をしっかり塞げるラバーカップを使いましょう。
ラバーカップを使う際の注意点
- 適切なサイズのラバーカップを選ぶ: キッチンの排水口に合うサイズと形状のラバーカップを選びましょう。
- 水量を調整する: 排水口に水がある状態で行うと効果的です。
- 吸引力を高める: ラバーカップを排水口にしっかりと押し当て、上下に激しく動かすことで吸引力を高めます。
- 使用後のメンテナンス: 使用後は、ラバーカップを水洗いし、乾燥させて保管しましょう。
2.軽度のつまりにはパイプクリーナー
パイプクリーナーは、排水管の軽度のつまりやつまりかけの状態や、ほかの方法でつまりを解消したあとの仕上げに使うのが推奨されています。その際、パイプクリーナーをただ流し込むのではなく、使い方を工夫すると効果が格段にアップします。
例えば、パイプクリーナーを温めておいたり、あらかじめ周辺のヘドロやごみを取り除いておいたりしましょう。
また、パイプクリーナーにはさまざまな製品がありますが、水酸化ナトリウムの濃度が高いパイプクリーナーやジェルタイプのパイプクリーナーが高い効果を期待できます。
パイプクリーナーを使う際の注意点
- 種類と特徴: パイプクリーナーには、液体、ジェル、粉末など様々な種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解して、適切なものを選びましょう。
- 安全なパイプクリーナーを選ぶ: 成分表示を確認し、人体や排水管に安全な製品を選びましょう。
- 使用量の厳守: 製品の説明書に記載されている使用量を守りましょう。
- 換気: パイプクリーナーを使用する際は、換気を十分に行いましょう。
- 保護具の着用: ゴム手袋やマスクなど、保護具を着用して使用しましょう。
3.薬品に抵抗がある方は重曹とクエン酸
誤って台所の排水口に油を流してしまった場合は、55℃程度のお湯に重曹を入れたものを排水口に流し込めば、油汚れを洗い流せます。
なぜ洗い流せるかというと、アルカリ性の重曹は油を分解する働きがあるためです。また、重曹とクエン酸を併用するのも有効です。
重曹とクエン酸に化学反応が起こると炭酸の泡が発生し、汚れの除去効果などが期待できます。重曹もクエン酸もどちらも自然由来の成分でできているため、薬品に敏感な方にも適しています。
重曹とクエン酸を使う際の注意点
- 具体的な手順: 重曹とクエン酸を混ぜて、排水口に投入します。
- 分量: 重曹とクエン酸を同量混ぜ合わせます。
- 混ぜる順番: 重曹とクエン酸を混ぜ合わせる際は、先に重曹を入れてからクエン酸を混ぜるようにしましょう。
- 放置時間: 混ぜ合わせたものを排水口に投入後、30分ほど置いてから熱湯を流します。
- 効果を高める工夫: お湯の温度を高くしたり、使用頻度を増やすことで、効果を高めることができます。
- 使用できない排水管の種類: 塩ビ管など、酸に弱い材質の排水管には使用できません。
- 換気: 重曹とクエン酸を使用する際は、換気を十分に行いましょう。
4.家にあるお湯とフェイスタオル
自宅にあるお湯とタオルでも、排水管の油つまりは解消可能です。
まずは、排水口の蓋、ゴミ受け、椀を外し、タオルを排水口に詰め込みます。この際、タオルが流されて排水口に詰まるのを防ぐために、タオルの端を排水口からはみ出すように設置しましょう。タオルを排水口に詰め込んだらシンク内にお湯を張り、お湯の高さが3cmを超えたら、タオルを一気に引き抜きます。一気に引き抜くことが非常に重要です。一気に引き抜けば、排水口に強力な水圧がかかりますので、油汚れが落ちていきます。
お湯とフェイスタオルを使う際の注意点
- タオルの選び方: 素材が厚手で、サイズが大きめのタオルを選びましょう。
- タオルの詰め方: タオルを排水口にしっかりと詰め込み、隙間がないようにしましょう。
- お湯の温度と量: 熱湯を使用し、タオルが浸るくらいの量のお湯を排水口に注ぎましょう。
- 一気に引き抜く際の注意点: 熱湯でタオルが熱くなっているので、火傷に注意して引き抜きましょう。
5.排水管内の空気を動かすペットボトル
ペットボトルを用いても排水管の油つまりは解消できます。ペットボトルの大きさは2Lでも500mlでも問題ありません。
タオルのときと同様に排水口の蓋、ゴミ受け、椀を外します。可能であれば排水管に水を溜めておきましょう。ペットボトルの口を排水管にぴったりと差し込み、手で何回かへこませます。
つまりが解消するまでこれを繰り返します。ペットボトルがあまりにも小さいと、動かせる空気の量も少量です。ある程度大きくやわらかな素材のペットボトルを使用しましょう。
ペットボトルを使う際の注意点
- ペットボトルの選び方: 容量が大きく、素材が丈夫なペットボトルを選びましょう。
- 水の量の調整: ペットボトルに水を半分ほど入れ、排水口に差し込みます。
- 効果がない場合の対処法: ペットボトルだけでは効果がない場合は、他の方法を試す必要があります。
6.頑固な油汚れにはワイヤーブラシ
ワイヤーブラシは、ホームセンターやネットで購入可能です。パイプクリーナーなどを使用しても改善しない場合は、ワイヤーブラシを試してみましょう。ただし、ワイヤーブラシは無理に使用すると、蛇腹ホースに穴を開けたり、抜けなくなったりするケースもありますので十分に注意してください。
ワイヤーブラシを使って排水管の油つまりを解消する際は、先端がブラシになっているため、ブラシで排水管の内部をこすって汚れを落とします。先端がらせん状になっている製品は、一般的なワイヤーブラシ以上に頑固な汚れを崩して絡めて取ります。
ワイヤーブラシを使う際の注意点
- ワイヤーブラシの選び方: 種類、長さ、形状など、排水管に合ったワイヤーブラシを選びましょう。
- 排水管を傷つけないためのコツ: ワイヤーブラシを使用する際は、排水管を傷つけないように注意が必要です。
- 使用上の制限: ワイヤーブラシは、排水管の材質によっては使用できない場合があります。
- ワイヤーブラシで汚れが落ちない場合の対処法: ワイヤーブラシだけでは汚れが落ちない場合は、他の方法を試す必要があります。
排水管の油つまりのサインとは?
排水管が油で詰まってしまったときは、水を流しているときにボコボコと異音がしたり、水が逆流したりします。料理に使用した皿には油が付着しているので、台所で洗い物をすると、どうしても油汚れは溜まっていってしまいます。油のつまりを防ぐには、日頃からのこまめな掃除が大切です。
油を排水管に流してはいけない理由
排水口に油を流してはいけない理由としては、排水口に油を流してしまうと、排水管のなかで冷やされて固まってしまい、つまりの原因になる場合があるからです。また、すべては流れ切らずに一部が塩ビ管の側面に吸着してしまいます。
台所用洗剤を使用して流していると塩ビ管に吸着した廃油と液体洗剤の成分が混ざりあい、ドロドロになったヘドロ状の物体がこびりついてしまうのです。このヘドロ状の油と洗剤の固まりで水の排水能力が悪くなると、同時に水流も悪くなる可能性があります。
油つまりの根本原因と対策
例えば、牛肉や豚肉の油は加熱した直後は液体になっていますが、少し時間がたつと白くドロッとした油の塊になります。油の塊を排水管に流すと少しずつ溜っていき、これもつまりの原因です。一方で、サラダ油などの植物性の油は固まりません。
なぜなら、動物性の油は40℃以下で固まり始め、植物性の油は0℃以下で固まる特性があるからです。
油つまりは、油の性質と排水管の構造、そして生活習慣などが複雑に絡み合って発生します。根本的な原因を理解し、適切な対策を行うことが重要です。
より効果的な予防策
- 食器や調理器具の油汚れをしっかり拭き取る: 食器や調理器具の油汚れは、キッチンペーパーなどでしっかり拭き取ってから洗うようにしましょう。
- 排水口ネットを使用: 排水口ネットは、髪の毛や食べカスなどのゴミが排水口に流れ込むのを防ぎます。定期的に交換することが重要です。
- 定期的な排水口の掃除: 重曹やクエン酸、パイプクリーナーなどを使い、定期的に排水口を掃除しましょう。
- 排水管の材質に合わせた洗剤の選択: 排水管の材質によっては、使用できる洗剤が異なります。洗剤の成分表示をよく確認して、適切な洗剤を選びましょう。
排水管の油つまりを予防する方法3選
そもそも油つまりは、排水口の汚れが溜まってしまったものです。日々排水口をきれいに使えれば掃除の手間をかけずに済みます。ここでは、排水管の油つまりを予防する方法を3つ紹介します。
1.油や食材カスを流さない
食器に付いた油やカップ麺の汁など、日々の油や食材カスの積み重ねが油つまりの原因です。油がべっとりとついたお皿や鍋をそのまま洗い流す前に、キッチンペーパーで極力拭きとるなど、地道な行いがつまりの予防につながります。また、ゴミ受けカゴにネットを被せるのもつまりを予防する方法の1つです。
ただし、ネットを被せるとゴミ受けカゴと排水栓に隙間ができてそこから細かい食材カスが流れてしまい、逆効果になる場合もありますので十分注意しましょう。
2.こまめにお湯を流す
固まってしまった油汚れは、お湯である程度は洗い流せます。55℃程度に温めたお湯をゆっくりと排水口に流して、油汚れを取り除いてあげましょう。お湯の温度は、高い方がよいわけではありません。
沸騰したお湯を排水管に流すと、塩ビ素材の排水管を傷める可能性がありますので避けましょう。悪臭がある場合は、パイプクリーナーを使って、こびりついた油汚れを洗浄すれば悪臭の原因を取り除けます。
3.ゴミ受けにアルミホイルを入れる
排水周りは、毎日お手入れをするのが基本です。しかし、お仕事などで忙しく、毎日お手入れできない場合は、丸めたアルミホイルを1〜2個、排水口のゴミ受けに入れておきましょう。アルミの金属イオンには抗菌効果があり、ヌメリ防止に効果的といわれています。
アルミホイルは水と反応するので、発生する抗菌効果で実際にヌルヌルは抑えられます。ただし、アルミホイルが排水口に流れないように十分注意してください。
自分で対処できない場合はプロに依頼
油つまりがひどく、自分で対処できない場合は、プロの業者に依頼しましょう。
プロの業者に依頼する場合の情報
- 業者選びのポイント: 料金、実績、口コミ、対応の丁寧さ、サービス内容などを考慮して、信頼できる業者を選びましょう。
- 見積もりを複数社から取る: 複数社の見積もりを取って比較することで、適正な料金でサービスを受けられます。
- 追加料金が発生する場合の確認事項: 作業内容や追加料金について、事前に確認しておきましょう。
費用の目安
- 油つまりの程度や作業内容によって料金は異なります。
- 基本料金、追加料金、出張費などが発生する場合があります。
業者の作業内容
- 状況の確認: まず、排水管の詰まりの状況を確認します。
- 高圧洗浄: 高圧洗浄機を使って、排水管に詰まった油汚れやゴミを洗い流します。
- カメラ調査: カメラを使って排水管内部の状態を調査します。
- その他: 必要に応じて、排水管の修理や交換を行います。
作業時間の目安
- 作業時間は、詰まりの状況や作業内容によって異なります。
- 1時間程度から数時間かかる場合もあります。
作業後の保証内容
- 作業後の保証内容については、業者によって異なります。
- 保証期間や保証内容を事前に確認しておきましょう。
まとめ
排水管がつまると慌ててしまいますが、軽度の症状であれば、市販の製品や自宅にあるもので対処可能です。
万一、排水管がつまっても焦らず、この記事で紹介した方法を試してください。ただし、自分で対処しても一向に改善しない場合は、無理して直そうとすると故障や水漏れにつながるので、業者に依頼しましょう。
対処しているにもかかわらず改善しない場合の、水回りの修理に関するお問い合わせ・ご相談は弊社にお気軽にご連絡ください。
Q&A
Q1. 排水管のつまりは、どのくらいの頻度で発生しますか?
A1. 排水管のつまりは、生活習慣や排水管の状態によって異なります。油っこいものを頻繁に調理する家庭や、排水口の掃除を怠っている家庭では、頻繁に発生する可能性があります。
Q2. 排水管の油つまりは、放置するとどうなりますか?
A2. 放置すると、排水が流れにくくなり、悪臭や害虫発生の原因となります。また、排水管が破損する恐れもあります。
Q3. 排水管の油つまりで、水道料金は高くなりますか?
A3. 排水管が詰まっていると、水の流れが悪くなり、水圧が低下します。そのため、水道料金が高くなる可能性があります。
Q4. 賃貸物件の場合、排水管のつまりは誰が修理費用を負担しますか?
A4. 賃貸物件の場合、排水管のつまりは、基本的に借主が修理費用を負担します。ただし、賃貸借契約書に記載されている内容に従う必要があります。
Q5. 排水管の油つまりを予防するために、食生活で気をつけることはありますか?
A5. 油っこいものを調理する際は、食器や調理器具の油汚れをしっかり拭き取ってから洗うようにしましょう。また、排水口に油が流れ込むのを防ぐために、排水口ネットを使用するのも有効です。
Q6. 自分で直すのが難しい場合、どのタイミングで業者に依頼すべきですか?
A6. 自分で対処しても改善が見られない場合は、早めにプロの業者に依頼しましょう。放置すると、排水管が破損する恐れもあります。