色々な使い方ができるバルコニーに人気が集まっています。「家族で寛ぐスペースが欲しい」「人目を気にせず布団を干したい」といった悩みを解決するために、リフォームを考えるという方も少なくありません。
ただ、家がある状態でのバルコニーの増築には、費用面の問題以外にも注意したいことがあります。そこでバルコニーの増築で知っておきたいポイントと、かかる費用の相場を詳しくご紹介します。
ベランダとは違う?バルコニーの定義とは?
賃貸マンションの物件紹介でもよく見かける「ベランダ」と「バルコニー」には明確な違いがあります。
何となく使っていることも多いこの2つの場所について、その違いを詳しく見ていきましょう。
「ベランダ」と「バルコニー」の違い
「ベランダ」と「バルコニー」は似たような用途で使われることも多いのですが、以下のように定義されています。
・屋根があるのが「ベランダ」
スペースの上に屋根があるのがベランダです。マンションやアパートでは、上の階の床部分が屋根の役割を果たします。
屋根があるので雨が入りにくく、洗濯物を干すスペースとして使われます。2階以上に設置されることがほとんどですが、1階に設置することも可能です。
・屋根がないのが「バルコニー」
2階以上に設置され、ベランダと違って屋根がないのがバルコニーです。屋上などに設置され、下の階の屋根を利用したバルコニーはルーフ(屋根)バルコニーと呼ばれ、広いスペースが確保できることが特徴です。
バルコニーの後付けはできるの?
戸建て住宅の場合は、バルコニーの後付けは「増築」として可能です。ただし、マンションやアパートの場合、すでにあるベランダやバルコニーのリフォームや拡張はできません。
自宅内からしか移動できない場所ですが、あくまでも「共有スペース」の扱いとなるためです。リフォームする際にも、規約の範囲内での工事が求められますので注意が必要です。
【目的別】バルコニーの増築スタイル4選
バルコニーを増築する場合には、「どういったスペースにしたいか」で工事の費用が大きく変わってきます。
そこで、目的別のバルコニーの増築スタイルとかかる費用の相場を詳しくご紹介します。
ガーデニングを楽しむためのおすすめスタイル
日当たりのいい場所にバルコニーを増築し、ガーデニングを楽しみたいと考えている場合には、小規模なサイズのバルコニーを設置する、もしくは既存のベランダを拡張するスタイルがおすすめです。
この場合、水やりのために床に防水加工をすることが必要となります。
相場・工事期間
既製品をそのまま設置する場合は、支えとなる支柱の取り付け工事だけなので、30万円から50万円程度で、工事期間も1週間ほどで済みます。
既存のベランダを拡張する場合は、広げるスペースにもよりますが1週間から2週間の工事期間で費用は60万円から70万円が相場です。
子どもやペットの遊び場としてのおすすめスタイル
子どもやペットが自由に走り回れるスペースとしてバルコニーを増築する場合は、強度も考えておく必要があります。
1階の屋根を利用したスタイルであれば、費用も抑えられます。
相場・工事期間
すでにある屋根を利用して設置するので、強度を考えて支柱を追加するとしても費用の相場は100万円程度です。工事の期間は1週間から10日程度となります。
屋根の強度が不安な場合は、屋根を撤去して設置する方法もありますが、追加の費用がかかります。
ホームパーティーを楽しむためのおすすめスタイル
バルコニーでホームパーティーをしたい場合には、近所に住む方へ配慮する必要がありますので、屋上に設置するルーフバルコニーがおすすめです。
相場・工事期間
ルーフバルコニーの場合は、階下への音漏れ防止や水漏れ対策などが必要となるため、工事の期間が1ヶ月以上かかることもあります。
多目的な利用が可能となる分、費用の相場は150万円から200万円以上となります。
リラックススペースとしてのおすすめスタイル
昼寝のスペースに使いたいなどリラックススペースとしてバルコニーを設置する場合は、外部からの目線を遮る工夫が必要となります。
ルーフバルコニーの増築が難しい場合は、ベランダを拡張しサンルームを設置するスタイルがおすすめです。
相場・工事期間
ベランダを拡張し、サンルームを設置する工事であれば、工事期間も短くて済み100万円以内に費用を収めることも可能です。
ただし床の強度を考える必要がある場合、工事期間が1ヶ月近くかかることもあります。
バルコニー増築の注意点
バルコニーの増築は色々なメリットがありますが、増築の際には以下のことに注意が必要です。
隣家の日当たりを遮らないかどうか?
バルコニーの増築で隣家の日当たりが悪くなる場合には、増築はできません。
建ぺい率・容積率に余裕はあるか?
今の家の建ぺい率と容積率に追加する形となるため、バルコニー増築でオーバーしてしまう場合増築はできません。
確認申請が必要か?
増築の際には自治体への申請が必要ですが、増築部分の床面積が10平方メートル以下であれば申請はしなくて良いことになっています。
ただし居住区によっては当てはまらないこともあります。
違法建築にならないために――増築前に建築士に相談がおすすめ
増築に関しては、きちんと法令を遵守する必要があり、もし守らなかった場合には違法建築と見なされる可能性もあります。
事前に建築士に相談し、現状を確認してもらうことが必要となります。
バルコニー増築で暮らしを豊かに!
バルコニーを増築することで、家のお悩みが解決するだけでなく、今よりも楽しい家時間を過ごすことにもつながります。
まずは信頼できる建築士の在籍するリフォーム会社に、ご相談・お問い合わせをしてみることをおすすめします。